療術業としての私の考え

 

私がどんな経緯で療法家になり、どんな思いで療法・療術を行なっているかについてお話です。

療法家を志したきっかけは、離れて暮らしていた母が病気になったことです。

母と暮らして長期的に療養をサポートするには、

自分が療法家になるのがよい、という単純な考えでした。

昼は仕事をし、夜は養成校に通い、早く一人前になって母のサポートをしたいという希望をもって、日々励んでおりました。

しかし、母の療養生活は長くならず、私が養成校を卒業する前に亡くなりました。

 

 

更年期の重要性と、家族を診ること

その後、国家資格を取得して独立し、野口整体、オステオパシーといった療術・療法の勉強をするなかで、

「一生のうちで最も体が弱くなるのは更年期である」ということを学びました。

実際、私の治療室の患者さんも40歳前後~50歳代の女性が多いです。

私の母が病に罹ったのも更年期でした。

この時期を健康に過ごすことがいかに大事かお分かりいただき、療法の立場からお役に立ちたいと思いました。

 

 

患者さんから、ご家族をご紹介いただくことが増え、

今度は働き盛りの男性や、思春期の中高生、

さらに、20代~30代の若い方や、ご年配の方がご来院下さることも増えてきました。

それぞれに大事な時期であり、難しさが違いました。

「ご家族を診る」という段階になって改めて気づいたことは、

一人の健康状態は家庭全体に影響するということです。

 

冒頭述べましたように、私は自分の母に充分なことを出来ませんでした。

その経験から、家庭生活において家族全員の健康が大事であることは身に沁みております。

ご家族を診るうち「ご家庭でお互いを大事にし、悔いのない家庭生活を送っていただきたい」と思うようになりました。

 

一人暮らしの方に

ある日、一人暮らしの方を診る機会に恵まれました。

若い方も、ご年配の方もいらっしゃいました。

自分だけで生活の全てを行うということは大変です。

また身近に相談できる相手がいないのは心細いことです。

健康の面での不安が軽くなれば、安心できるのではないかと考えました。

 

私に出来ることは限られています。

私はゴッドハンドでもありません。

寿命をのばしたりもできません。

限られた命ですから一生病気にならない、という事も無理です。

ですが、日常を健やかにするお手伝いなら出来るのではないか?

と思っています。

 

もちろん、技術的に「もっと上手くなりたい」という思いはあります。

しかし、技術以前の、私の療術家としての願いは何か?

皆さんの生活がより充実するよう、

手技療法でお役に立つこと、これが私の仕事だと思っております。

 

当治療室を皆様のお役に立てていただけたら幸いです。

皆様のご来室、お待ちしております。

 

 

さとう接骨治療室 佐藤 智紀