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「距骨」

今回は足の骨のうち、「距骨」の重要性についてです。

足の骨は大まかに分けると、足の指の骨、足の甲にある細長い中足骨、さらにブロック状の足根骨という骨からなります。

足根骨は、動きは小さいのですが、足首から上の運動に対する影響は大きいです。

距骨というのは、足根骨の一つです。

 

距骨は下腿と接する骨です。

距骨は筋肉が付着しません。靭帯の籠の中にいるようなかたちで存在します。

非常にユニークです。

距骨は足の骨の中心に位置し、構造的に足全体の司令塔のような役割があります。

また、このコラムでも度々触れていますが、固有受容器が特に集中しているところです。

固有受容器というのは、身体の位置や筋の収縮の程度、関節の位置や動き、平衡感覚についての情報等を感じ取ります。

ですから距骨のバランスが損なわれると、構造的にも神経的にも不具合が生じてきます。

 

構造的な距骨の異常のうち、良く知られているのは「偏平足」でしょう。

足の骨の並び方の異常で、土踏まずが浅くなっている状態です。

原因はいろいろあるのですが、距骨の位置が狂っているケースは問題です。

距骨の頭(前方部)が内下方に向いていると、土踏まずが無くなり偏平足になります。

この場合は治るには距骨を中心に足根骨の調整が必要です。

足指の運動や足底筋膜の強化も重要ですが、距骨には筋が付着していませんので、強化するだけでなく関節のケアをすることも大事です。

 

 

最も簡単なケアは、ゆっくりと丁寧に足首を動かすことです。

動かす方向は施術だと多方向に慎重にバランスをとりますが、ご自分で行うなら底屈・背屈だけでよいです。

距骨の最も重要な動きは底背屈です。

これを丁寧に行う中で他の方向の不具合も自己調整されることがあるので、まずは底背屈だけ行うのがおすすめです。

基本的な動きなので、いろいろな方法が考えられます。

例えば単純に、手で足をつかんでやる方法、足を床に着いて前後に体重を移動させる方法があります。

やりやすい方でやってみましょう。

 

距骨の動きが良くなると歩くのも楽になります。

全身の協調にも良い影響があります。

とは言え、すぐに効果が出るわけではありませんので、継続した取り組みが大切です。

 注意は心地よい程度に行うことです。何事もやり過ぎは禁物です。

よかったら参考になさってください。

 

皆様のご健康とご多幸を願います。

 

 

さとう接骨治療室

 

写真:Alberto Bigoni