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続・リハビリ日記「新しい朝がきて、痛む(前庭覚などについて)」

 

足のリハビリするようになって、一日の中で最も痛むのはいつかというと、私の場合は朝です。

傷んだ組織が硬くなっており、神経はしっかり目覚めていないので力が入りにくいので、歩くのがつらい。

いや、まず立ち上がるのがつらい。

 

組織の傷痕や関節の硬いのは、まあ時間がかかるので焦っても仕方ありません。運動と手技で少しずつ取り戻していきます。

神経の方はどうでしょうか。

注目したいのは「固有受容覚」と「前庭覚」です。

 

固有受容覚というのは、運動中の体の位置や、力の入れ具合等の感覚です。

運動している時に、関節がどの程度曲がっているか、腕や脚の位置はどうなっているか、バランスを保つための身体運動の細かな調整や、重力に抗して姿勢を保つのも固有受容覚の働きです。受容器は関節や筋肉にあります。

身体の状況を具体的に感じ取り、調整するのが固有受容覚といえるでしょう。

 

他方、前庭覚は固有受容覚よりも大きな、身体全体の状況を感じ取ります。

身体の傾きや、移動する際のスピード、回転、重力を感覚するのが前庭覚です。

受容器は耳の奥、三半規管、耳石器にあります。

また、前庭覚は覚醒とも関係があります。

脳が目覚めているとより前庭覚もしっかりします。

眠いと体がふらふらしますが、その感じをイメージするとわかりやすいでしょう。

怪我の回復途上で朝に体が痛むのは、前庭覚がしっかり働いていないためということは大きく影響しているでしょう。

体の大まかな傾きがあやふやでは、固有受容覚も適切には機能出来ないからです。

上手く力が入らないし、身体運動の調整がスムーズでなくなりますので、痛めたところへの負担が大きくなります。

 

さて、前庭覚、固有受容覚の機能をしっかりするにはどうしたらよいでしょうか。

バランストレーニングです。

日常生活の中でできるシンプルなことがよいです。

バランスパッド、ボード、ボール、いろいろなグッズもありますので、可能な方はそういうものを購入するのもよいでしょう。

そこまでしなくても、片足立ちや座布団を重ねた上に立つくらいのことでも十分だと思います。ダンサーや運動選手のトレーニングでなく、怪我からのリハビリですから。

 

今日もコツコツやっていきます。

 

 

皆様のご健康とご多幸を願います。

 

 

 

 

さとう接骨治療室

 

 

写真:Casey Horner