怪我をした足の具合は、良くなってきているとはいえ、まだまだ負傷前のようにはいきません。走れないし、正座もできません。
医師からは半年かかると言われており、リハビリも計画的に進めてはいますが、運動を指導することもあるため、一刻も早く治りたいものです。
そこで、温泉の力を借りることにしました。
目指すは鳴子温泉郷です。
鳴子温泉の歴史は千年以上前にさかのぼります。
837年に鳥谷ヶ森(鳴子火山)が大爆発し、熱湯が噴出したのが始まりです。
源義経や松尾芭蕉も訪れた、歴史ある温泉です。
そんな鳴子温泉郷の中でも、とりわけ温泉通を唸らせているのが、今回行ってきた東鳴子温泉の高友旅館・黒湯です。
高友旅館は建物がだいぶ年季が入っており、廃墟とか、異世界とか、いろいろ言われていますが、温泉は鳴子随一の呼び声も高い名湯です。日帰りとはいえ湯治が目的なので、異世界だろうと、異次元だろうと行かなくてはなりません。
せっかくなので、歴史ある鳴子温泉の共同浴場「滝の湯」にも浸かることにしました。
高友旅館の日帰り入浴は10時からで、滝の湯は7:30からです。
早朝に出発して、滝の湯と高友旅館をハシゴする計画です。
滝の湯は素晴らしいお湯でした。
豊富な源泉が常に注がれ、湯の華で白濁したお湯はやや熱めながらも柔らかく、とても温まりました。足先までぽかぽかというより、ジンジンして、温泉の質の高さを感じました。
行った甲斐がありました。とてもおすすめです。
いよいよ、高友旅館です。
旅館は確かに年季が入っておりましたが、思ったほどボロボロではなく、味わい深い感じです。騒ぐほどじゃありません。
受付で簡単に温泉の説明を受け、いざ入浴です。
今回は「黒湯」と「ひょうたん風呂」に浸かりました。
どちらのお湯も関節痛に特効とあるので、私の目的にはもってこいです。
関節痛だけでなく、皮膚病、糖尿病など万病によく効くとのことです。
黒湯
ひょうたん風呂
まずは黒湯へ(こちらは混浴なので女性は抵抗があるかと思いますが、宿泊すれば女性専用の時間があるそうです)。
黒湯は油のにおいがします。石油です。
石油と硫黄が混じったような、独特のにおいです。
期待が高まります。
湯壺に浸かると、温度はぬるめでしたが力強さを感じます。
噂に違わぬ泉質。
次にひょうたん風呂に入りました。
こちらも石油と硫黄が混じったようなにおいでした。
ひょうたん風呂もぬるめで黒湯に比べると穏やかな感じでした。
しかし、少し浸かっていると怪我をした左足と、左足が弱ったために痛めた両膝が痛みだし、反応しているのを感じました。
こちらもすごい。むしろ私にはひょうたん風呂が合っているように感じました。
高友旅館の温泉に大変満足し、近いうちにまた来ることにして帰路につきました。
ところが、高友旅館の威力はここからでした。
長距離なので、運転していると左足が浮腫んでくるはずなのに、左足の靴がゆるくなっています。これはすごい。
さらに自宅に帰着した昼過ぎは疲労がピークだったのですが、一休みすると徐々に元気が湧いてきます。
午後4時過ぎには、やたらと元気になり、後回しにしようとしていた用達を数件一気に片付けても、まだまだ元気です。
高友旅館の温泉は異次元です。
異次元に通じているに違いありません。
私は手技療法で「黒湯」「ひょうたん風呂」のようになりたいものだと思いましたが、温泉は大自然の力であり、神様の領域です。手技療法は人の営みで、人の手技がそれに近づきたいというのは恐れ多いことです。
しかし、治癒という神業についてのよい経験ができました。
来月も行ってきます。
皆様のご健康とご多幸を願います。
さとう接骨治療室