肩まわりの不具合がある時、鎖骨の動きは大切です。
肩の動きについて、運動学では「肩甲上腕リズム」ということを大事にします。
これは肩を外転(体の外側方から横に腕を上に挙げる)していく動作の際に、上腕骨‐肩甲骨の外転、肩甲骨‐胸郭の上方回旋の比率を観察したものです。
上腕‐肩甲骨と肩甲骨‐胸郭の動きの大きさはほぼ正確に2:1になります。
腕が2度外転する時、肩甲骨は1度上方回旋します。
肩を外転する時、その動きの3分の1は肩甲骨と胸郭の間の運動ということになります。
その際に肩甲骨の運動で重要なのが鎖骨の動きです。
肩甲骨と体幹を繋ぐ骨は鎖骨です。
ですから、肩鎖関節(肩甲骨‐鎖骨)、胸鎖関節(胸骨‐鎖骨)の動きが悪くなると、肩甲骨の動きが著しく制限されます。
肩甲骨が上方回旋の運動をする際、鎖骨は外転にだけでなく、後方に回旋します。
実は案外と立体的で豊かな運動をしています。
日常生活で、あえて鎖骨を動かすことはありませんが、腕の運動の際にとても大事な働きをしています。
腕を大きく動かす際には、少し鎖骨の動きも感じてみると生活動作の質が変わってくるかと思います。
よかったら参考になさってください。
皆様のご健康とご多幸を願います。
さとう接骨治療室