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「四十肩・五十肩のおさらい(特に棘上筋)」

 

お読み下さりありがとうございます。

今回は(しばしば取り上げていますが)四十肩・五十肩です。

四十肩・五十肩になると、腕が上がらなくなります。

可動域が制限されるだけでなく、肩関節周囲が痛みます。

固まったように動かないので凍結肩と呼ばれたりもします。

 

原因は何かというと、人により痛めた筋肉が違っていたり、筋骨格系でなく神経系筋系の不具合が要因だったりもします。

共通しているのは、回旋筋腱板が障害されていることです。

肩関節周囲は沢山の筋肉で安定が保たれています。

特に回旋筋腱板と呼ばれている筋群の働きが重要です。

棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つです。

それぞれ比較的小さな筋肉なのですが、肩関節の運動に大変重要です。

回旋筋腱板は肩関節を安定させること、外転・内旋・外旋といった肩関節の運動の筋肉でもあります。

 

働きは重要なのに比較的小さい筋肉であるために痛めやすくもあります。

四十肩・五十肩はこの回旋筋腱板に不具合が生じるために肩の可動性が著しく制限されます。

神経筋系でみると、どの筋肉も原因になりますが、使い過ぎによる損傷で多いのは棘上筋と小円筋です。

理由は小さいのに負担はかかるからです。

 

特に棘上筋に日常的にかかる負担は見過ごせません。

棘上筋は肩関節を外転する筋肉です。

外転というと三角筋という比較的大きな筋肉もあるのですが、棘上筋も同時に働きます。

かつては棘上筋は外転30度までの初動が主な役割であると言われていましたが、実際には肩関節外転の全てに関わっています。

外転動作だけでなく、手提げ袋を持つような場合にも棘上筋には常に負荷が掛かります。

こうした小さな負荷の蓄積によって気づかぬうちに痛めてしまうことは多いです。

 

四十肩・五十肩の方は、痛めた側の手で荷物を持たないようにしてください。

もし、どうしても持つ必要がある場合は出来だけ体の近くに荷物があるようにして、肩関節への負担を軽くすることが大事です。

四十肩・五十肩は使い過ぎや使い方の間違いだけでなく、ホルモンバランスの変化や、内臓の状態が関わることもあります。

年齢的に40代・50代は体の変化が大きく、不具合が出やすい時期です。

肩関節の特徴からも、その原因からも治るのに時間がかかります。

もし四十肩・五十肩になった場合は焦らずじっくりと向き合うのがよいです。

 

皆様のご健康とご多幸を願います。

 

 

さとう接骨治療室

 

 

 

写真:Leonid Shaydulin

・棘上筋