「オステオパシーって何?」②

「オステオパシーって何?」二回目は伝統的なオステオパシーの健康についての哲学をご紹介します。

 

 オステオパシーの創始者、A.T.スティルは「健康とは人間の本来あるべき自然の状態である」と信じていました。

オステオパシー治療の土台はあくまで自然の働きです。

「人体は健康のための完璧な機構を備えている」

人体の全ての部分が調和していると健康で、そうでない時に病が生じるという考えです。

病が治癒し健康が回復する為にスティルが行った治療は人体の再調整です。

それによって、健康の働き正常になり病が治るというのがスティルの信念でした。

※実際に多くの目覚ましい成果を上げていきます。

 

 また「生命とは動いている物質である」とも考えていました。

この動きには、物理的な体は勿論、精神活動も含まれていたようです。

動きが欠如していると生命は健康へと導かれないとも述べています。

人体のメカニズムにとって神経活動と体液の流れが正常であることが動いていることだという考えだったようです。

 

 これだけ聞くと、本当に自然治癒力を発揮するだけで色々な病気が治るのか?

という疑問があると思います。手技療法で難病が治るなんてにわかには信じられません。

私もそうでした。

 しかし、考えてみれば、どんな最新の医療テクノロジーも

素晴らしい新薬も「生きていればこそ」です。

生命力を刺戟し、治癒力を高めるのが医療や療術の出来る事です。

生命は人知を超えています。

※例として最高学府の天才が集まっても、生命をゼロから造ることはできませんが、

学校教育を受けない人でも、健康な若い女性であれば子どもを産むことが出来ます。

 

 オステオパシーはこの自然治癒力を生かして、健康を回復し、疾病の治癒を促す療法です。

人間の行う治療行為はすべて自然治癒力なくしてはありえませんが、

特にこの力を重んじるところにオステオパシーの一つの特徴があるのではないかと思います。

 

 スティルのもう一つの特徴として、解剖学を非常に大事にしています。

神が作り出した人体を学ぶには解剖学が欠かせないと沢山の解剖をして深く研究しました。

例えば、弟子たちに大腿骨の講義をする時は、血管が心臓から大腿骨に至り、

互いにどのように影響するかを解説したそうです。

 

 信仰心と直観に加え、深い解剖学の知識から得た人体観、磨かれた手技療法。

これら全てを備えたのがスティルのオステオパシーです。

 

(私の手技療法は純粋なオステオパシーではありませんが、

スティルは憧れの巨匠です)

 

 

 

次回はオステオパシーによる施術や健康管理で筋骨格系を重んじる根拠を見て行きます。

「オステオパシーって何?」③

 

・大腿骨を観察し思索にふけるA.T.スティル。