「オステオパシーって何?」三回目です。
今回はオステオパシーによる施術や健康管理で筋骨格系を重んじる根拠を見て行きます。
筋骨格系の役割を見直すことで、皆さんの生活がより健やかになれば幸いです。
動物は運動します。運動することによらずに生活はできません。
運動する際の主役は筋骨格系です。
人間の生活もまた筋骨格系によって為されます
どんな活動でも筋骨格系が働いています。
毎日の生活はもちろん、人間の本質や個人の個性も筋骨格系の運動表現が必要です。
絵画や音楽などの芸術も、宗教や哲学、思いやりや愛情の表現など、素晴らしい精神活動も、筋骨格系による行動を通して実際に表現されなくては価値を発揮できません。
人間の文明も文化も筋骨格系による行動の産物と言えます。
次に、人体の中での役割を見て行きます。
体液の流れや神経系の働きにとって、筋骨格系は重要です。
筋骨格系に障害があると、体液の流れも支障が出ます。
血液やリンパ液に対するポンプ作用を考えれば想像しやすいと思います。
また神経伝達の面でも影響が大きいです。
大事な中枢神経である、脳は頭蓋骨の中に、脊髄は背骨の中にあります。
ここから神経が出て、全身に行きわたります。
中枢からの支配も、末梢からの情報も、
背骨の動きが悪いと神経が圧迫されて神経伝達がスムーズにいかなくなります。
もちろん背骨だけでなく末梢の影響も大事です。
例えば座っていて神経を圧迫して脚が痺れるなどの一時的な障害を見ても、
筋骨格系が神経系に与える影響の大きさがわかります。
創始者のスティル医師は思索と臨床の経験から、
筋骨格系を調整することを通して全身の健康が回復していく事を発見しました。
感染症や、内臓疾患も脊柱の傍に現れる硬結(コリのようなものです)から読み取り、
その硬結に対して治療することで疾病が治癒していきました。
筋骨格系は、神経系、循環器系、内臓系への影響が強く、
手技療法の反応も良好で、手技療法家にとって有難い存在となりました。
オステオパシーで筋骨格系を重視する根拠は他にもまだまだありますが、
これだけでも十分お分かりいただけると思います。
筋骨格系の症状は軽んじられがちですが、
軽度なうちにケアすることが全身の健康にとって非常に重要です。
最後までお読みいただいて、有難うございました。