オステオパシーを施術するのに必要な資格はあるか?という相談されることがあります。
いくつかの団体があり、学校もありますが、日本ではオステオパシーの公的な資格はありません。
しかし、医療系の国家資格は持っている必要はあるのではないかと思います。
理学療法士、按摩・指圧・マッサージ師、鍼灸師、柔道整復師などです。
養成校で基本的な医学を学んでいることは、安全上必要だと思うからです。
もちろん、医師であれば、何の問題もありません。
私は柔道整復師の資格を持っています。
日本ではオステオパシーの看板を掲げる為には中身が肝腎です。
オステオパシーの技術を用い、その哲学に賛同していることです。
その哲学にも技術にも興味がないのにオステオパシーを掲げるとなると問題です。
オステオパシーを東洋医学と誤解している方もいらっしゃいますので、
誤解を解きつつ、私達の療法についてご理解いただきたいと思います。
オステオパシーはアメリカの療術です。その哲学はキリスト教の影響があります。
神から与えられた肉体、神が設計した人体という考え方です。
「唯一絶対の神が造り給うた身体は完璧に設計され、自然治癒力が機能すれば病はじきに癒える」
というのが創始者スティル医師の考えです。
日本に於いても、自然治癒力の作用は受入れられますが、キリスト教の基礎がありませんので、
そのあたりがアメリカとは異なってきます。
私もキリスト教徒ではありませんので、「神」の捉え方がどうしても日本的、東洋的な自然観になってきます。
特定の宗旨を持たないものにとって「神」というと宇宙論的な自然観にもなってくるかと思います。
(※私個人としては、身体や健康についての考えの基礎は、野口晴哉氏の整体、韓氏意拳という中国武術の影響が大きいです。どちらも、東洋的な自然観に基づく体系です)
キリスト教徒が生み出した医術ですから、キリスト教徒でないものが純粋に
原理主義的にオステオパシー哲学に基づく事は難しいでしょう。
しかし、自然治癒力の作用や自然のはたらきについて理解することは大事です。
自然治癒力や自然の働きについての哲学なら、東洋医学に一日の長があります。
解剖学や生理学は、現代医学においては西洋に分があります。
日本はそのどちらを学ぶにも条件がよいと思います。
中国古典、日本古典、キリスト教学、現代医学、そのどれについても偉大な先人がいて、文献も充実しています。
日本人は日本的な生命観でもってオステオパシー手技を施術し、日本的に発展することができると思います。
最後までお読みいただいて有難うございました。