女性の患者さんから「生理の前に肩こりがつらくなる」というご相談をいただくことが多いです。いわゆるPMS、月経前症候群の悩みです。
生理痛というと、下腹部、骨盤周囲の痛みを想像しますが、月経前の肩こりの訴えはとても多いです。なぜでしょう?
月経時には骨盤が開きます。
骨盤が開くにも順序があり、骨盤だけが開くのではありません。
後頭骨、肩甲骨、順に上から開いて骨盤の開きにつながっていきます。
ですから後頭骨、肩甲骨がスムーズに開かない場合に肩こり様のつらさが起こります。月経の前段階で肩こりが起こるので、「PMS(月経前症候群)」となるわけです。
なので、月経前の肩こりに対応するには頭蓋骨~上背部へのアプローチも選択肢となります。
ご自分で後頭骨の開きを誘導するには、頬骨を温める方法があります。
頬骨に蒸しタオルを当てる方法です。
後頭骨が誘導されたら、首から肩甲骨も緩む場合が多いです。
また、上背部の硬さと目の疲れは関連します。
眼が疲れている方には、眼を蒸しタオルで温めるのも肩甲骨の開きを助けます。
月経前の肩こりにお悩みの方は是非お試し下さい。
手技療法の施術で後頭骨の動きを誘導することは、もちろん可能です。
オステオパシー手技の代名詞となっている頭蓋骨調整です。
PMSという言葉が一般的になり、薬を服用する方も多いようです。
最近は鎮痛剤だけではなく、月経をコントロールする薬を処方されることも一般的になっています。
その前にやれることはないかと、手技療法・整体の立場からは思います。
皆様の健康と幸せを願っております。
※補足)
男性も骨盤が開く時期があります。
順序も同じですが、月経がないので季節の変化として起こります。
1月に後頭骨、2月に肩甲骨、3月に骨盤の順で開いていきます。
この変化は男女共通です。
女性は季節の周期の他に月の周期でも骨盤に明らかな変動が起こります。
男性も月の周期での変動はありますが、女性のように明らかではありません。