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「深呼吸をしよう(横隔膜のはたらき)」

 

深呼吸は体に良いと言いますが、実際何がそんなによいのでしょうか。

まずは換気です。

老廃物を含んだ呼気を充分に吐き出し、新しい空気を吸い込みます。

人が生きる上では空気というのは大事です。

息を止めては、生きられません。

身体に十分な酸素を取り込むことは活動する上で欠かせません。

 

深呼吸で鳩尾の硬さを取るということもあります。

これは野口整体の見方ですが、鳩尾の硬さは頭の中の緊張を表します。

私の施術の経験上も、鳩尾の硬さは頭の中の緊張を表しているというのは本当であると感じています。

 

少し専門的な話になります。

横隔膜には穴があります。

図を確認してみて下さい。

大きな穴というか隙間が3つ確認できます。

 

穴は図の上から、大静脈孔、食堂裂孔、大動脈裂孔(背骨の前の大きな隙間)です。

それぞれ、その名の通り大静脈、食道、大動脈が通ります。

 

横隔膜の孔と運動の関係で特に大事だとされているのは、大静脈孔のポンプ作用です。

静脈は動脈と違い、心臓のようなポンプがありませんので、全身の筋肉の運動をポンプにして血液を運びます。

よく「ふくらはぎは第二の心臓」などと言われますが、そうした働きのことを指しています。

横隔膜の大静脈孔も大きなポンプの一つで、とても重要です。

横隔膜が上下に動くことで、大静脈の中の血液を運ぶ力になります。

深呼吸をすると、横隔膜はよく動きますので、その分血液の循環は促進されます。

 

深呼吸は換気と血液循環、ストレスの軽減にもよい働きをします。

日常的に深呼吸をするのはとても良いことです。

また、緊張する場面で少し間をおいて数回深呼吸をしてみるのもよいでしょう。

よかったら参考になさってください。

 

皆様のご健康とご多幸を願います。

 

 

さとう接骨治療室

 

 

 

写真:Austin Kirk

 

 

横隔膜を下から見たところ