今回は空想することの力について考えていきたいと思います。
空想することを活用して、皆さんの生活がより溌剌としたものになれば嬉しいです。
「空想する」というと、いかにも夢見がちで弱いように感じます。
一方、「意志」というと、いかにも頼もしい感じがします。
しかし、実際はどうでしょうか?
野口整体では、空想する方が意志よりもずっと強い作用があるといいます。
確かに、意志の力では、涙一つこぼすことが出来ませんが、
涙を誘うような空想すると、涙が出てきます。
また、酸っぱい食物を空想すると唾液が出てきます。
「涙よ、唾液よ」と意志でいくら頑張ったところで出てくるものではありません。
意志と空想どちらが体への作用が強いかは明らかです。
また、何かを成し遂げようとする時でも同じです。
例えば、ダイエットをしたいなら空想を活用して、成功したらどんな良いことがあるかを空想して下さい。
「考え」ではなく空想です。
素敵な服を着ている様子、活発に運動している様子など、楽しい空想が良いです。
意志で頑張り続けるというのはかなり難しいものです。
実際、偉業を成し遂げた人たちも空想の力を生かしていたように見受けられます。
「こうなりたいなあ」という強く前向きな空想、或はイメージと言ってもよいでしょう。
これに支えられて実際の行動を支えてきたようです。
空想と健康に関してもみてみましょう。
先に涙や唾液の例を出しましたが、空想が体に与える影響はとても大きいです。
不安になるような空想をしますと、不安に対処するように各種のホルモンが出てきます。
また、昔の嫌なことを思いだしたりしても、頭の中のことなのにストレスホルモンの作用で色々な生理的変化が起こります。
血圧と血糖に作用するアドレナリン、コルチゾルというホルモンはストレスに反応して分泌されます。
不安になるような良からぬ空想が過ぎれば、高血圧、糖尿病のリスクが高まります。
逆に、前向きで力強い空想は体を安定させていきます。
心地良い前向きな空想をした際に分泌される神経伝達物質が治癒に良い影響を与えることが分かってきています。
病の時や、うまくいかないこともあるかと思いますが、
力強い空想で皆さんの生活をより良いものにしていきましょう。
私も頑張ります。
皆様のご健康とご多幸を願います。
さとう接骨治療室
(今回は2019年6月29日の本コラム記事に加筆修正したものです)
写真:Rod Long
コメントをお書きください