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音楽の効用

 昔、整体協会を設立した野口晴哉という整体の名人がいました。

野口先生はクラシック音楽の愛好家、オーディオマニアとしても有名です。

音楽を聴くと楽しい気分になったり、懐かしい気分になったりします。

音楽を聴く目的は色々ですが、野口先生は「心を浄める」為に聴いていたそうです。

モヤモヤ、イライラした心を清め、心が晴れると、身体のはたらきも自然なリズムを取り戻してきます。

音楽には体を整えるという面もあるようです。

 

 心配事などで、気が急いていたり、憤っていたりすると、ホルモン分泌に影響があります。

血圧と血糖値に作用するアドレナリン、ノルアドレナリンというホルモンはストレスに反応して分泌されます。

この場合のストレスは、筋運動、寒冷、血糖低下、血圧低下、精神的感動等です。

寒い時は血管が収縮して体温が下がり過ぎないように、または危機が迫ったら逃げなくてはいけませんので、

筋肉が活動しやすいように血糖値を上げてくれます。

 

 必要に応じて身体のリズムは変化し、健康状態にも大いに影響を及ぼします。

必要ならば、血圧も血糖値も上がるのは良いことですが、

人間社会のストレスというのは血糖値や血圧では何とかできない事が多いようです。

血圧が上がっても大きな商談に結び付くかどうかはわかりません。

 

 普段は心を清めて晴れやかにし、必要に応じて身体が変化できるようにしておくのが良いのではないでしょうか。

その為に音楽を活用するのも一つの手です。

 

 私は最近、クライスラーの演奏を好んで聴いています。クライスラーはヴァイオリニストで、作曲もした人です。

クライスラーは小品が良いという評価ですが、私は協奏曲も好きです。モーツァルト、ベートーベンをよく聴きます。

クライスラーを聴くと、穏やかになるというか、視界が晴れるというか、こせこせしたところが解消されていきます。

素晴らしい音楽は色々ありますが、やはり大家の演奏はさすがです。

野口先生はチェロのカザルスに負けないようにと整体の技術を磨いたそうです。

 

 さて、人それぞれ適した音楽があります。

北島三郎でも、森繁久彌でも、安室奈美恵でも、エグザイルでも、何でもいいと思います。

みなさんの好きな音楽で心を晴れやかにされてはいかがでしょうか。

音楽は愉しく、健康にも良いです!