整体を取り巻く問題はいろいろあります。
一つには玉石混交であること。整体とは本来、体を整え、健康を呼び起こす技術ですが、リラクゼーションの域を出ないばかりか、害のあるものもあります。
他方、医療が見放した患者が整体等の療術・療法で回復をみせることもある。
私にとって「整体」というと、野口晴哉先生の整体です。
野口先生を委員長として発足した「整体操法制定委員会」の整体操法が思い浮かびます。
今回は、整体操法制定委員会に参加した療術家の永松卯造氏による「永松操法」についてご紹介いたします。
永松卯造氏は始め、豆腐製造機の開発をしていました。
豆腐製造の効率化に成功し、世の中に貢献する面白さに気づき、療術の道に進んだそうです。
(永松氏の機械は豆15貫から45貫しかできなかった豆腐を65貫作れるようにしました。)
豆腐製造機時代に得たヒントをもとに「永松操法」をつくりました。
この方法の凄いところは「永松活点」という急処一つで諸病に対処するところです。
永松活点は右第十肋骨の辺りの下です。
ここに硬結がなければ健全、あると無病であっても健全ではないことを発見しました。
永松操法はこの永松活点を整圧し硬結を解除することただ一点によって多くの患者を救いました。
もちろん、何でも治るという訳にはいかないでしょうが操法によって排泄を促すのだそうです。
病気の毒となるものを排泄するのですから、諸病に効果があったのも肯けます。
昔の療術は医学では説明できないことがあります。
療術家の発見した経験則に基づき、ただ臨床効果を積み重ねています。
中には偽物のインチキ療術もあるのですが、本物もあります。
この永松先生は実際に多くの人を助け、実用重視の整体操法にも取り入れられました。
私が試した範囲でも、本物だと感じます。
さとう接骨治療室