「施術の考え方(腰痛を例に)」

 

弊治療室で多い症例は?

 当治療室に来院される方の主訴で多いのは腰痛が最も多く、次いで頚部痛、肩痛です。これらの症状については実績があり、ご好評いただいております。今回は腰痛を例に、当治療室の施術の基本方針をお伝えしたいと思います。

 

 

腰痛も色々。

 腰痛と一口に言っても様々です。大抵は手技療法によって良い方向に向かいますが、稀に手技療法が適応外の重篤なものもあります。癌、感染症、脊椎骨折、神経障害の進行などです。

これらは検査によって発見され、医師によってガイドラインに沿った治療を施されます。

 

 私達も、まずは重篤な疾患である可能性を除外します。

重篤な疾患の徴候を危険信号、「レッドフラッグ」と呼びます。

以下の条件を満たすものが「レッドフラッグ」です。

・50歳以上

・癌の既往歴

・原因不明の体重減少

・一か月の治療によっても改善がみられない

・安静時も痛みが軽減しない

 

 「レッドフラッグ」の条件を満たす場合は、X線撮影、MRIなどの画像診断に進み、治療を検討するのが一般的です。

これは医師の業務で、私達の業務範囲外です。

(※癌の方でも私達の施術を受ける方がいますが、いわゆる「治療」ということではなく体力を養う目的、自然治癒力を助ける為です。この目的で施術を受ける意味は大きいと思います。)

 

 では、私達の施術は何をするか?

一言で言いますと、筋骨格系の不調和によって生じる諸症状が対象です。

これは身近なうえ、かなり広い範囲におよびます。この適応範囲の広さがオステオパシー手技等、「マニュアルメディスン」の醍醐味です。

 

 私達が特に重視する背骨の歪みがもたらす症状についてお話ししたいと思います。

まずは神経の問題です。脊椎と脊椎の間には神経の出口となる穴があります。これを椎間孔といいます。背骨が歪み、椎間孔にストレスがかかると、神経にも負担かかかります。

これによって、末梢と中枢の神経的な連絡が滞り、様々な不具合が生じます。手足の力が入りにくいとか、呼吸し難いとか、多岐にわたります。この神経への負荷を解消することで健康が保持され、治癒が促されます。

 

 つぎに運動の調和の問題です。

背骨の構造は鎖のようになっています。

ですから、一部で動きが制限されると全体に影響します。

全体に滑らかに動けば、キレイに連鎖して効率的な運動ができます。しかし、一部が動かないと協調のとれた運動はできません。そうしますと、他の部位に負担がかかり不調の原因になります。例えば、骨盤の歪みが心臓を包む筋膜に作用して胸部痛を引き起すこともあります。

 

 以上、二点だけでも筋骨格系の歪みによる諸症状の多くが説明できます。

 

施術の標的は筋骨格系の制限

 施術の標的は筋骨格系の制限です。これを解除することです。

身体に生じたブロックを解除できれば、あとは自然に治るに任せるのが上策である事が、われわれマニュアルメディスン・オステオパシーの経験則として蓄積されています。

 もちろん、何でも出来るわけではありません。前述のように適応外であれば、医療をおすすめする事もあります。

しかし、施術を受けられる皆さまには、まず筋骨格系のケアと自然治癒力に可能性を見出し、前向きに施術を受けていただきたいと思います。

 

皆様のご来院、お待ちしております。

お問い合わせもお待ちしております!皆様、ぜひ!