「心配事と上部頸椎」

 今回は心配事が身体に与える影響です。

昔から病は気からと言います。過剰なストレスや、取り越し苦労…。

胸が苦しい、胃が痛い、頭が痛い等、心配事が身体に反映されるのは経験上よくあると思います。

 

 筋骨格系の方面で見ましても、ストレスや心配事が与える影響はとても大きいです。

最近の傾向として、頸椎の緊張が強くなる方が多いようです。

これは、社会の情報化が進み、頭脳偏重の傾向が強くなったためであろうと思います。

頭脳偏重の場合は、頚部の上の方、頸椎1番・2番(*)が変位してしまいます。

考え過ぎや、精神的に追い詰められている時です。

(*頸椎1・2は、背骨の上から1番目と二番目の骨です)

 

 上部頸椎の変位は、脳の血行や自律神経への影響等々、多岐にわたります。

筋骨格系の方面では、頸椎の変位が下肢の筋力に影響する例もあります。

股関節に問題のある方のケースです。

この方は中殿筋(⁑)が弱化していましたが、腰椎や骨盤にはさほど問題はなく、頸椎の制限が強い。

頸椎を調整したら、中殿筋の筋力が改善しました。

(⁑中殿筋は臀部の外側にある筋肉です。歩行中片足立ちになる時等、生活動作にとても重要です。)

 

 この場合は頭の使い過ぎから頸椎の変位、下肢筋力の弱化となったようです。

もちろん、中殿筋は臀部の筋肉ですから、神経的・構造的に関連が強いのは腰椎と骨盤です。

しかし、この方への施術では上部頸椎が焦点でした。

心配事が重なって疲れていたというお話でした。

 

「気のせい」と言うと軽く思われる方もいらっしゃいますが、下肢筋力までおかしくなってしまいます。

気の問題は実に大事なのです。