現代の日本では人体の中で脳ばかり優先され、特別扱いされているように思います。
一時期、大変に脳科学がもてはやされ、マスコミは脳科学者に意見を求めるという事がありました。
確かに、優秀でユニークな視点をお持ちなのだと思います。
しかし、脳科学も学問のひとつであり、人間全体を解明できたわけではありません。
心がどこにあるのか、記憶はどこに収められているのか、芸術に感動するのはなぜか…
脳科学では説明できないことも多いです。
にもかかわらず「脳科学でわかった!」と言われると説得されてしまう。
ここまで脳を尊重したくなるのは何故か?
思考優位というか、思考偏重の為であろうと思います。
人間は思考します。
思考することは人間の活動として大切なことです。
しかし、生命維持は思考では行えません。
身体なのか、無意識なのかはわかりませんが、意識・思考による働きでない事は確かでしょう。
たとえば、食べたものが血肉となるのは思考にはよりません。
私たちの筋骨格の分野から見ると、
脳などの中枢から末梢への伝達はもちろん大事なのですが、
末梢から中枢への伝達も生命活動の上では同じく大事なのです。
実際には中枢も末梢もなく一つなのです。
しかし、思考には不向きです。
「中枢から末梢へ指令が下る」「脳が感じる」と考える方が思考するには単純でキャッチーなのでしょう。
非常に商業的なにおいを感じます。
マスコミで取り上げられた脳科学者の先生方も不本意なことはあったのではないかと思います。
考えることも、生きて入ればこその活動です。
思考偏重を見直し、命や身体に気持ちを向けるのが必要なのではないかと思います。
身体の感覚、直感を大事にするのが、私のおすすめです。
考えに縛られていては、タイミングを逃し、事実を見逃してしまいます。
(私はそうでした…。)
生命維持、健康は思考でなく、全体的な活動です。
脳の中ですら思考は一部、一側面です。
まして、人間の能力の中ならさらに小さな割合になることを忘れないようにしたいものです。
月並みな意見ですが、どなたか感じるものがあれば幸いです。